TORUS

写真と言葉たち

テレパシーを受けて何かに気が付いて突然立ち止まった人

ソバ屋の傍で箸は持たずに唇で指を嚙みそうなほどにしながら、しきりに何かを思案している女性がスマホとにらめっこをしていて、何やらこの付近の空気には不思議な高いテレパシーテンションが漂っている気がしていたのでした。


何かが起こりそうな雰囲気だったので、私もこれに加わってカメラ調整をする振りをしながら下を向いて実は液晶画面をさりげなく見ていて、まあ、私も何かを思案しているふりをしていたのでした。

すると、一人の気楽そうな?男性が前からやってきて、男性は撮りたくないな、と思っていたのでシャッターを切るとしたら私を通り過ぎた後だよね、と思っている私を全く無視して通り過ぎようとしていました。


そろそろ、シャッターのタイミングかな?と思っていたら、自分の後ろからもう一人の女性がやはりスマホを持ちながら、何やら左手でリズムを取りながら、明らかに何か先で起こる事をいろいろ想定している風に、自分の行く方向のずっとその先を見つめながらテンポよく歩きながら近づいて来て私を通り過ぎようとしていたので、私はシャッターを切った、その時突然男性は歩くのを止めて、突然棒状に固まったようです。


やはり人って頭を回転させると何かのテレパシー電波みたいなものが発生するのかもしれませんねえ。


まるで私のシャッターの指示に従って歩くのを止めたようだけれど、やはり、この近辺は思考するテレパシーテンションの高い空気が満ちていたのかもしれません。


まず最初に路地に立ち止まりかなり真剣にスマホと睨めっこしている女性のテンションの高さに私はつられてストリート魂テンションが高くなり、そこへやはり可なり軽快に色々思いを巡らしている人がテンポよくやってきて、この私たち3人でテンションを高くしたソバ屋の前を通り過ぎた男性は、私たちにつられて、何か重大な事に突然思いが至ったのに違いありません。


それにしても、実はこのソバ屋の雰囲気も何か神がかったような神聖な日本の建築の美があるのですよね。もちろん時々行く美味しいソバ屋なのですが、こじんまりした風情のある雰囲気を漂わせていて、不思議なテンションの起きやすい素地が出来ていたのでしょう。


男性はその後Uターンして行きました。何か忘れ物でもしたのかなあ?


とにかく、色々頭を巡らしていてテレパシーテンションの高くなってしまった人たちの、一瞬の出来事でした。


刻々と変化するありふれた日常の様子を一枚の静止画に記録する事で、今までは分からなかったある真実が見えてくることがある。


カメラは風景を凍結させる道具なり。
芸術とは真実を凍結させる事なり。


マイ名言でした。ゴホ、、、。咽、。
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