Storytelling

写真と言葉たち

日向にいる人と日陰にいる人

目黒通りを駅へ向かう人と、駅から帰る人が行きかっている。
その人たちは、反対側の建物の間からさしてくる太陽の光の関係で、日向にいる人と日陰ににいる人と分かれている。

でもよく見ると全員おひとりさまですね。しかも、皆さん元気に足早です。のんびりと歩いている人はいません。平日の午後だからなのでしょうか? 


確かに無口で黙々と歩くのも、この道の登り先には特に飲食店や繁華街がある訳でもなく単なる通り道だからなのでしょうが、でも明らかに、ここにいる人たちは毎日ここを通る事を日課にしている感じです。


そういえば近所の人と話したことで、目黒通りと言っても駅の近くは登りと下りに分かれていて駅から下る方向も幾通りもあって最終的には同じ目黒川の橋へ到達するのですが、確かに人気のある通りとそうでない通りが有って、なぜ、特に飲食店が無い道でも人がいっぱい通るのか不思議がっている人の話がありました。


それに皆さん歩くときは、ほぼ7メートルくらい先の地面を見ながら歩いている感じの首の角度ですね。改めてこうして並んで歩く人を横から見た写真で、そんな事を発見しました。そう、確かに一般的に人が並んで歩いているのを横から見る事って、実は普段から経験する事は殆どなかったですね。ンン、これは大発見かも?特に坂道だとそうなるのでしょうか?


改めてタクシーに乗っている時に街を歩いている人を観察してみたら、7メートルくらいの地面を見ながら歩いている人も確かに30%は居るように思いました。もちろん真直ぐ前を見ている人も30%以上は居ますね。残りはハッキリしなかったですが、でも確かにこの少し坂道での写真だと殆どの人が7m先の地面を見ている感じですよね?とにかく、ありえない不思議な事実です。


誰か統計撮ってみたら何かの発見がありそうですねえ。


テレパシーを受けて何かに気が付いて突然立ち止まった人

ソバ屋の傍で箸は持たずに唇で指を嚙みそうなほどにしながら、しきりに何かを思案している女性がスマホとにらめっこをしていて、何やらこの付近の空気には不思議な高いテレパシーテンションが漂っている気がしていたのでした。


何かが起こりそうな雰囲気だったので、私もこれに加わってカメラ調整をする振りをしながら下を向いて実は液晶画面をさりげなく見ていて、まあ、私も何かを思案しているふりをしていたのでした。

すると、一人の気楽そうな?男性が前からやってきて、男性は撮りたくないな、と思っていたのでシャッターを切るとしたら私を通り過ぎた後だよね、と思っている私を全く無視して通り過ぎようとしていました。


そろそろ、シャッターのタイミングかな?と思っていたら、自分の後ろからもう一人の女性がやはりスマホを持ちながら、何やら左手でリズムを取りながら、明らかに何か先で起こる事をいろいろ想定している風に、自分の行く方向のずっとその先を見つめながらテンポよく歩きながら近づいて来て私を通り過ぎようとしていたので、私はシャッターを切った、その時突然男性は歩くのを止めて、突然棒状に固まったようです。


やはり人って頭を回転させると何かのテレパシー電波みたいなものが発生するのかもしれませんねえ。


まるで私のシャッターの指示に従って歩くのを止めたようだけれど、やはり、この近辺は思考するテレパシーテンションの高い空気が満ちていたのかもしれません。


まず最初に路地に立ち止まりかなり真剣にスマホと睨めっこしている女性のテンションの高さに私はつられてストリート魂テンションが高くなり、そこへやはり可なり軽快に色々思いを巡らしている人がテンポよくやってきて、この私たち3人でテンションを高くしたソバ屋の前を通り過ぎた男性は、私たちにつられて、何か重大な事に突然思いが至ったのに違いありません。


それにしても、実はこのソバ屋の雰囲気も何か神がかったような神聖な日本の建築の美があるのですよね。もちろん時々行く美味しいソバ屋なのですが、こじんまりした風情のある雰囲気を漂わせていて、不思議なテンションの起きやすい素地が出来ていたのでしょう。


男性はその後Uターンして行きました。何か忘れ物でもしたのかなあ?


とにかく、色々頭を巡らしていてテレパシーテンションの高くなってしまった人たちの、一瞬の出来事でした。


刻々と変化するありふれた日常の様子を一枚の静止画に記録する事で、今までは分からなかったある真実が見えてくることがある。


カメラは風景を凍結させる道具なり。
芸術とは真実を凍結させる事なり。


マイ名言でした。ゴホ、、、。咽、。



________

命知らずのフォトハンターたちによるシューティングバトル

さて久しぶりに竹下通りへスナップしに行ってみました。
何か良いターゲットは無いかと思いながら歩いていたら、何か頼みに来る外人が居ました。ああ、シャッターボタンを押してほしいのかな?と思っていたら、なんと、私を撮りたいというではないですか。

私も何かモデルを探していたのですが、逆にモデルを頼まれるとは、いつもはこちらは撮る方なのですが、確かに私もモデルを探していたわけですから、その気持ちは分かります。じゃあ、という事で撮りっこすることになりました。

F1.2のレンズの威力も知りたかったのでバンバン撮りまくりました。

その内にもう一人も加わり、2対1のバトルが始まりました。

instagramに投稿されることを恐れない、命知らずのハンターたちによるフォトシューティングバトルが、大都市東京原宿竹下ストリートで発生したのでした。
でも実はここへ来る前に竹下通りへ入った直後にも、ファインダーを覗いていたら同じように道の向こうからこちらへカメラを向けている人が居て、ピースマークを送って来るから、まあ、こちらからもオッケーと、ピースマークを送って撮らせたのですが、残念ながら相手は男性だったのでこちらで撮るのは止めました。そうなんですよね、男性は撮りたくないのですよ。なぜなら私は、、、じゃあ無いのでした。

でも、なぜ二回も連続でモデルを頼まれたのは謎ですねえ。もしかして、私はハンサムなのでしょうか?( ̄∇ ̄;)ハッハッハ、、、、、。


まあ、こういうバトルは平和ですわ。そういう事で終わってから全員で笑いながら別れましたが、じゃあ、私もインスタに載せられてしまったのかなあ?お互いに写真を見せっこしたら面白いだろうなあ。もう一笑い出来そう。


彼女はこの先のT字路を右折するのだろうか、それとも左折するのだろうか?

この先のT字路を左折すると駅へと行ける。
しかし、この先のT字路を右折しても、特に何かがある訳では無い。


さて、私の前を行く彼女は
T字路を右折するのだろうか、それとも左折するのだろうか?


なんだか気になる、
なぜなんだろう、
なんだか気になる。


るるるるー---


彼女はこの先のT字路を右折するのだろうか?
彼女はこの先のT字路を左折するのだろうか?


例えば彼女が左へ曲がって行ったとしても
だからと言って私がどうこうなる訳でもない。


例えば彼女が右へ曲がって行ったとしても
だからと言って、私がそれに従う必要がある訳でもない。


どんな時でも
私は私の行くべき道を
信じているし、
たとえ彼女が左右どちらへ曲がったとしても
その事で私の行く先が変わる訳ではない。。


その事で私の行く先が変わる事はない、
その事で私の行く先が変わる訳はない、
その事で私の行く先が変わる筈はない
ない、ない、ない、絶対にある筈はない。


ending


ある一瞬が輝くときに、貴方は気が付くかも知れない、
ある不思議なメロディーが始まっているのを。


それぞれの人の人生にとって、とても重要な話し合いが行われている雑踏の行きかう地下鉄構内の現場。

いつも使っている表参道の地下鉄構内なのですが、なんだか不思議な雑踏の雰囲気があったのでその方向をワンショット撮ってみました。


パソコンで改めて見てみるとやはり何の変哲もない単なる雑踏なのですが、でも、何か普通ではない雰囲気、ああ、なんだか真剣に話をしている熱気?みたいなものが漂ってますねえ。


さて、自分に当てはめてみると、こんな風に駅構内で他人と長い間議論した経験はありません。マア、せいぜい2~3分別れ際に話したことはあるかもですが、こんなに手ぶり身振りを混ぜながら延々と話したことは無いですね。


そう、こんな場所で長く議論するという事は、以前から話したかったけれど、話す時間も場所も無くしかたなくここで話すしかできなかった人達なのだと思います。すなわち、この人たちにとってはそれぞれの人生においての、とても重要な話し合いをしているその現場なのでしょう。


この人たちにとっては、これから何年かして思い出して、「ああ、あの時地下鉄構内でずいぶんお互いに話し合ったわよねえ。」と、運良ければ話し合いが行われるかもしれない、そんなとても重要な話し合いが行われている現場に違いありません。


おそらく、今話している人たちは、この話し合いで何らかの決着がついてもう同じ様な事はしなくてもすむでしょうし、同じように、私もこのような貴重なシーンを撮るチャンスも二度とは無いでしょう。