ほとんど使われていない地下通路の出入り口で
立ち止まり、スマホと向き合う時間
女性は何かを見つけたのだろうか
ついにその場所を離れ、一歩踏み出す
長い暗闇の思考迷路を抜け出し
新たな光を目指して歩き始める
その瞳には、決意と解放の光が宿り
未来への一歩を刻む
ほとんど使われていない地下通路の出入り口で
立ち止まり、スマホと向き合う時間
女性は何かを見つけたのだろうか
ついにその場所を離れ、一歩踏み出す
長い暗闇の思考迷路を抜け出し
新たな光を目指して歩き始める
その瞳には、決意と解放の光が宿り
未来への一歩を刻む
反対側の街路、コーヒーショップのある幾何学模様のビルの壁と、同じく幾何学的な形態の垣根街路樹が背景に広がる。
その背景の中、コーヒープラスチックカップを手に持った白いブラウスの女性が、リズミカルに右から左へ駅の方向へ向かって歩いていた。
彼女の少し先には木の枝葉が、まるで彼女の頭の中で絡まり合う思考の枝葉を映し出すかのように広がっていた。
彼女がその木の近くを通り過ぎるとき、枝葉の影が彼女の背後に重なり合い、彼女の心の中にある様々な考えが形を取り始めたように見えた。
丁度その時、背後から同じくコーヒーの色を帯びたスポーツカーが右から現れ、彼女の脇を通り過ぎて行った。
その一瞬、見えている風景の下半分がスポーツカーに切り取られ、
彼女の歩みとスポーツカーの滑るような動きが完璧にシンクロする。
強い日差しの歩道に、街路樹の影が大きく描かれている。
スマホを見ながら歩いてきた女性が、その街路樹の影の中へと足を踏み入れた。
同時に、同じようにスマホを見ながら、その街路樹の影から抜け出た女性がいる。
まるでスマホの指示に従い、タイミングを完璧に合わせたかのように
二人の歩みは一瞬だけ調和した後、またそれぞれの光の中へと戻って行く。
日没から少し時間がたつと、空の明るさと街の照明の明るさのバランスが丁度良くなり都会の色が幻想的な雰囲気に輝くトワイライトタイムが始まる。
駅前でスマホを操作しながら待ち合わせをしている女性、遠くで信号待ちをしている沢山の人達、みんなトワイライトタイム劇場の演技者としての役割をこなしている。すると、次の自分の一幕の為に急ぐ女性が、スマホで場所を確認しながら私の脇を通り過ぎて行った。
もう夜が遅いので働いている人は誰もいない大きなビルの一階エントランスのガラス壁の中は、とても明るく輝いている。
外から見ると数本の大きな柱と、天井にも張り巡らされた鉄パイプらが、シルエットとして見えている。
そして、壁、ついたて、床のタイル模様、張り巡らされた鉄パイプ、つまりこれらすべては長方形や直線で見えている。
すなわち、人間が作ったこれらの構造物は全て直線を組み合わせて出来てるのだ。
すなわち、人は街を作るのは基本的に主に直線を組み合わせて作っている、という事に事に気が付く。
そして、直線で出来ていないのが今シルエットで見えている彼女だ。